先週末、ファンに激震が走った。
the pillows(ピロウズ)、解散ーーー。
つい最近、「LOSTMAN GO TO CITY」のライブに行って帰ってきた夫が、メンバー同士の仲が悪いみたいだ、と言っていたけれど、まさか解散するなんて思わなかった。
なんとなく、ピロウズはおじいちゃんになるまでバンドやっているんじゃないかと思っていたんだけど、とんだ思い違いだった。
私は、大学時代に彼氏(今は夫)の影響でピロウズを聞き始めた。
音楽も格好良くて好きだったけれど、ピロウズが小樽の銭函出身というのがまず良かった。非常に親近感が持てた。
小さい頃、夏休みに小樽の積丹(しゃこたん)半島の辺りで泳いだことがある。
とにかくウニがいっぱいいた。子供でもなんとか捕れる深さにいるんだけど、何しろトゲトゲしているので、触ると痛い。兄が軍手をはめて潜って獲ってきて、その場で父が割ってくれたのを食べたんだけど、新鮮ですごく美味しかった。
大人になった今は、ウニはあまり美味しいと感じないんだけど、それはきっと、あのときの記憶の味と比べてしまうからなんだと思う。
そんな思い出の、小樽出身の、バンド。
ライブにも何回か行った。
一番最後に行ったのは、第1子を妊娠しているときだったと思う。後ろの方で大人しく見ていたはずなんだけど、空気が薄く感じて、倒れかけてしまった。
妊婦にライブはあんまり宜しくないなと学んだ。
確か、あれからピロウズのライブには行けていない。誰かが家で3人の子供を見ていないといけないのだ。代わりに、いつも夫だけが行っていた。
子供が大きくなって、子供達だけで留守番できるようになったら、また二人で行こうと思っていたのに、もう一生行けなくなってしまった。
まぁ、大体さわおさんが悪いんだと思う。さわおさんの音楽は本当にすごく好きなんだけど、難儀な人なんだよね。気難しい人なんだよ。
「年を取ったら人間丸くなると言うけど、さわおさんはずっと尖ってるね」と夫に話したことがある。積丹(しゃこたん)の、ウニみたい。
そんな尖ったところもずっとロックであり続けてると言えるのかもしれないんだけど。
真鍋さんとシンちゃんが60代なのに対して、さわおさん一人が50代でまだまだ若々しいということも、メンバー間でのギャップにつながったのだろうと思う。結局さわおさんだけ、独身だしね。でもまぁ、仕方ない。
さみしいけども、解散しても、もちろん曲は聴き続けると思う。
ありがとう、the pillows(ピロウズ)。
最後は、ピロウズの歌詞で締めたいと思う。
なんとなくパッと頭に思い浮かんだんだけど、意外と、今のタイミングにしっくり合っている気がする。
足跡のない道を選んで
ずいぶん歩いたな
荒野の果て どこかにきっと
足跡残ってる
それだけが それだけが
生きた証し
それだけが それだけが
僕らの誇り
ー「雨上がりに見た幻」より
