こんにちは。ぱなしのお玲です。
昨日は取り乱してしまって、大変失礼しました。
おかげさまで復活いたしました。
満を持して、今日は、沖縄の泡盛業界の構造的な問題についてお話ししたいと思います。
今回の話を理解するために、お手数ですが、こちらの記事を一度お読みいただけますようお願いいたします。
用意はいいでしょうか?
では、まずはこちらをお読みください。比嘉酒造のHPから抜粋しました。
比嘉酒造は、本年度より新ブランドを展開してまいります。
新ブランドのコンセプトは
「SMILE BE WAVES(造語)」
残波で笑顔になり、その笑顔溢れるシーンが波のように広がって行くように。という思いを込め、新ブランドを展開していきます。
SMILE BE WAVESは造語。
すごくがっかりしてしまいました。
「英語の文法がめちゃくちゃで、ちょっと恥ずかしい」
「まるで中学生が書いた間違いだらけの文のよう」
私がそう思った作文は、意図的にやっていたのでした。
えっ、なんで?
海外にももっと売っていきたいんですよね?
なぜちゃんとした英語で世界にアピールせず、わざわざおかしな英語を作って、内輪にしか伝わらない広告を作成してしまうのですか?
一言で言って、センスがないなーと思いました。辛口コメントで、大変恐れ入ります。でもちょっと事業センスに欠けているのではないかと思いました。
でもおかしいなー。
残波はけっこう売れているはずだし、長く事業もやっているはずなのに、なぜセンスがないと感じちゃうんだろう。
そんなことってあるのかな。
そう考えて、あっ。と思い浮かぶことがありました。
泡盛の酒税優遇措置です。
泡盛は、酒税の優遇を受けているため、その分、本土の焼酎よりも安く販売できています。
経営努力をしなくても、事業センスがなくても、安いから売れているのかもしれない。
私の推測を裏付けするため、本棚から1冊の本を引っ張り出してきました。正直、この本を読んだのはけっこう前なので、すっかりその存在を忘れていましたが、今回のことでやっと思い出しました。『沖縄から貧困がなくならない本当の理由』(樋口耕太郎著)という本です。一部抜粋します。
復帰から2013年までの41年間で、泡盛業界は総額約410億円の税金を免除されてきた。既得権を持つ県内の47蔵元は、優遇措置によって安価に商品を販売できる。
私の憶測は、どうやら当たっていると言えそうです。
さて、この本には他にも面白いことが載っていました。酒税の優遇措置で得た利益はどこへ行くのか、についてです。本には、2014年11月にある「事件」が起きた、と書かれています。
業界売り上げ第2位で、泡盛残波を全国的にヒットさせた比嘉酒造(読谷村)が、創業社長を含む親族の役員4名に対して、4年で20億円近くの報酬を支払い(12億7千万円の基本報酬と、退職慰労金6億7千万円)、沖縄国税事務所から申告漏れを指摘されたのだ。
国税は比嘉酒造の役員報酬が過大だとして、税金過少申告を指摘しただけなのだが、その事件が朝日新聞で報道されたことで、この会社がどれだけ巨額の利益を上げていたのかが周知となってしまった。
民間企業はどれだけ利益を上げても構わないし、その利益に見合った報酬は自由に決めていいはずだ。しかしながら、酒税の減免措置を受けている泡盛業界の利益となると事情は異なる。
その利益の源泉が税金だからだ。
なるほど、そういうことだったのですね。
酒税の優遇措置は、経営力をつけることにはつながらず、比嘉酒造の中のごく一部の創業者一族に対して支払われる巨額な報酬に形を変えていたのでした。
残波の英語がZANPAかZAMPAかなんて細かいこと、比嘉酒造にとっては、正直どうでも良いことなのかもしれませんね。
私がZANPA(残波)に言いたいことは、もう何もありません。
一生懸命広告の改善策を考えた私がバカみたいで、ただただ悲しいです。
ただ1つ気がかりなのは、泡盛の酒税減税は、2032年までに段階的に廃止になることです。
沖縄の伝統産業ですから、なんとか生き残ってほしいと心から思っています。
ゆいレールで目にした1枚の広告から、こんな社会派ブログに発展することになるとは、まったく思ってませんでした。こういうこともあるのですね。
以上、
今回もお読みいただき、ありがとうございました。
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記事に出てきた本はこちら。
沖縄に興味がある人、沖縄で移住を考えている人は特に面白く読めると思います。
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英語がそこそこできると、いきなりブログが社会派になることがあります。
私もびっくりです。