こんにちは。ぱなしのお玲です。
今日は、私が「面白いなぁ」と思った絵の描き方についてお話しします。
まずは、こちらの絵をじっくりご覧下さい。
同じ人物が3カ所、登場しているのに気づかれましたか?
- 山のふもとでは、薪を背負って、出発の準備をしています。
- 山の中腹では、山道を登っています。
- 山の頂上では、横たわる人と、その人に向かって何かを振り上げている人がいます。
この作品は、旧約聖書のあるエピソードを描いたものです。
ユダヤの最初の族長アブラハムは、高齢になって妻サラとの間にイサクを授かりました。
あるときアブラハムの信仰を試そうとした神は、 アブラハムに一人息子を神に捧げるように告げ ます。
この言葉に従い、
アブラハムはイサクと二人の従者を連れてモリヤの山に 向かいました。目的の場所が見えた時、 アブラハムは従者を待機させ、イサクに 薪を背負わせ、火と刀を持って歩きだします。
そして、
目的地で祭壇を組み、刃物 でイサクをまさに犠牲に捧げようとしたそのとき、天使が現われ「 その子に手を下すな。何もしてはならない。 あなたが神を畏れるものであることがわかったからだ。」と言い、犠牲を止めさせます。
アブラハムは代わりに、
ちょうど近くの茂みで 角を取られていた羊を見つけ、神に捧げることができました。 -とある美術館の解説
アブラハムが、信仰心を神に試された一連の出来事が、1枚の絵の中に連続して描かれています。この絵では、画面手前から、奥へと時間が経過しているわけです。
このような手法を、「異時同図法」と言います。
日本でも絵巻の中にこの手法が見られるというので、調べてみました。
こちらの絵をご覧下さい。
同じ人物が登場しているのがわかりますか?
今回は、子供にフォーカスして、丸で囲んでみました。
絵巻物なので、右から左に時間が進んでいると思って下さい。時系列的には
- 子供二人が取っ組み合いのケンカ。
- 大人が出てきて、引き離される。
- (多分)母親に手を引かれていく子供。
という流れですね。
確かに、「異時同図法」になっています!
「待てよ。この手法、現代でも取り入れられているよね」と思ってネットを探してみました。
こちら、どうでしょうか。
卵から、オタマジャクシを経て、カエルになるまでの図です。
これもまさに、「異時同図法」になっていますよね!(大興奮)
そんなわけで、今日の美術の時間はここまで。
以上、
今回もお読みいただき、ありがとうございました。
いつも感謝です(人•ᴗ•♡)